あなたの中心軸は私です。
ちょっとした心境の変化は知らないふり。
こんな気持ちも
こんな私も私は知らない。
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「あら?寝ちゃった?」
膝の上に横向きで座るクルミちゃんが、急に静かになって牛乳のパックを握ったまま動かなくなった。
「くるみん、食べたら眠くなっちゃう子なの。2人は、くるみんとお昼初めてで知らないと思うけど、こうなったらくるみん休み時間終わるまで起きないよっ」
お子様でしょ?とウインクをしながら平瀬ちゃんは言葉を付け足した。
周りの男からの視線が痛いほど感じるが、そんな中、寝ている今がチャンスなことをしたいと思ってしまう。
「平瀬ちゃんっ!クルミちゃんってファーストキスってまだ?」
「まだのはずよ。」
それを聞き、俺はニヤリ、と笑ってしまった。