あなたの中心軸は私です。
「じゃあ、今からすることクルミちゃんに秘密ねっ!」
人差し指を口に当て、皆もだからね、とクラス全体に釘を刺す。
そして、俺は、桃色でサクランボの実のようなクルミちゃんの唇をぱくん、と食べた。
教室全体で驚いたような、動揺しているような感じが伝わってくる。
最後に教室中に響くようなリップ音を残し自分の唇を舐める。
「俺のお姫様取っちゃダメだよ?」
皆への忠告を残し俺は、平瀬ちゃんにクルミちゃんを託し、翔の腕を無理矢理引っ張って1-Dの教室に戻った。
「ツバサくんカックイィ!」などと、隣でキシシ、と笑うバカがいた。