あなたの中心軸は私です。
私はパーカーを羽織って、ジュース買ってくる、と翔くんに伝えて皆から少し離れた浜辺を歩いた。
『そんなことされたら期待しちゃうよ。』
期待って、恋愛的な意味で?
でも、私なんか、王子には釣り合わない。
所詮、チビなんだから。
親指姫なんてあだ名だって、小さいから付けられただけ。
私だって、ツバサくんのこと嫌いじゃないよ。
私、座るならツバサくんの膝の上じゃなきゃ嫌だし、体だって触られるの嫌じゃないし。
むしろ、もう少し触って欲しいなんて、口が避けても言えない。
笑顔のツバサくんが嫌いじゃない。