あなたの中心軸は私です。
「ツバサ...く、ん...」
目に映ったのは、上の水着が剥がされ、目に涙を浮かべるクルミちゃんの姿。
「クルミに何しやがった。」
「何って、見て分からない?遊んであげてたんだよ。」
クルミちゃんに俺が着ていたシャツを着せながら、厭らしく笑う男を殴った。
勢い良く飛んだ男をそのまま終わらせる気はない。
胸ぐらを掴み、殴る。殴る。殴る。
「こいつ、なんかヤバくね?」
そんな男たちの声だって気にしない。
男はすでに気を失っているものの、止める気が起きない。
「ツバサくんっ、私、大丈夫だからっ」
この男たちに嫌な思いをさせられたのに、クルミちゃんはこいつを庇うの?
「この人、死んじゃうよぉっ!」
そのクルミちゃんの泣き声混じりの声が、俺に正気を戻させた。
手の力を緩めた。
すると力なくどたり、と男が地面にひれ伏した。