君がいるだけで。

「それでも……信じるよ」


あたしが安心させるように
微笑みながらそう答えると、
急に皐月は力が抜けたように溜め息を吐いた。




「はぁ……。
千菜はそう言うと思った」



「え？それって誉めてる？」



「…誉めてはない」



「なーんだ。でも、皐月は
あたしのこと分かってるね！
嬉しいっ！」




あたしの答えを分かっていたと言う皐月に、嬉しさを感じ、
あたしは抱きついた。


すると、頬を赤く染めた皐月は優しく笑って抱き締め返してくれた。





「……ッ、ああ。
俺は千菜の一番の理解者だと思うよ」



「へへっ、やっぱり」



「それと、千菜のこと
いちばんに想ってるのも俺だから」



「えっ/// う…うん……」