君がいるだけで。
『だから不安なんだよ』
それから月日は流れ、
文化祭はあっという間にやってきた。
「千菜ー。
これってどこ置けばいい?」
「それは第2会議室に運んで…――――」
「千菜ちゃん、千菜ちゃん!
私って仕事午後からだよね?」
「うん、そうだったと思うよ」
たくさんの人から
色々と質問されて頭が着いていかない……
それでも
頼られるというのは嬉しくて
「さっすが。
やっぱ宮杉はすげぇわ!」
「わあっ!…佐野くんか」
後ろから、“宮杉”と、あたしを呼ぶ声が聞こえて振り返ると至近距離に佐野くんが笑いながらあたしを見つめていた。
「ははっ!驚きすぎ(笑)」
「ご…ごめんね!」
「まぁいいけど♪
宮杉って偉いよな!嫌な顔しないで仕事ぜんぶやり遂げちゃうし」
「そ…そうかな?」
「そうそう。ほんと尊敬する!
ありがとうな、色々」
急にお礼を言われて
あたしは恥ずかしくなった。