君がいるだけで。
“友達として”
それなら喜んで回るけど……
「それに彼氏持ちの子を狙わないって!…ちゃんと好きなヤツいるから」
「えぇッ!!? そうなの?」
佐野くんの急な告白に
あたしは驚きを隠せずにいた。
なぁーんだ!
じゃあ、全然
警戒しなくても大丈夫じゃん
さっちゃんだって
友達と回るだろうし……
「うん、わかっ――」
「千菜」
ガシッ。
返事をしようとした所で
後ろから肩を掴まれた。
クルッと後ろを振り返ると、
あたしの大好きな人が立っていた。