君がいるだけで。
『千菜にとって、俺はなに?』
「チョコクレープ、120円になりまーす」
そう言いながらチョコクレープを小さな子供に渡すと嬉しそうにそれを受け取って子供はお金を払った。
「ありがとう!
落とさないように食べてね?」
ニコッと笑って、あたしがそう言うと、「うんっ!」と元気に返事をして小さい子供は走ってどこかへ消えてしまった。
あぁー…小さい子って
本当に可愛い!
あ、さっちゃんも
負けないくらい可愛いけど♪
とか、皐月のことを考えながらも
そんなこんなで
楽しみながら仕事をしていると、午前の仕事はあと5分もないくらいになっていた。
やったあーっ!
これが終わったら、さっちゃんと一緒に過ごせる♪
あたしは残り僅かの仕事も
楽々とこなした。
「千菜ちゃーん。そろそろ交代だよー」
「えっ!? 本当に?
あとは、よろしくねー」
そう言って
友達にエプロンを渡して背伸びをした。
楽しかったのは楽しかったのだけど、やっぱり疲れた。