君がいるだけで。
それでもやっぱり
怖かったものは簡単に忘れれるものではなくて、
皐月と回っている間
そのことばかり考えていた。
「さっきのアイス、めっちゃ美味かったな!」
「うん……」
「俺さ、千菜の食べてたマンゴー美味しかったから、もういっかい行きたいんだけど……千菜、聞いてる?」
あたしが俯いたままなことに
気付いた皐月は
ゆっくり、あたしの顔を覗きこんだ。
「き、聞いてる聞いてる!
で……なんだっけ?」
「聞いてないじゃん。千菜…、大丈夫?」
「え…えへへー。だいじょー…」
「……大丈夫なわけないよな?」
……え?
あたしがキョトンとしていると皐月に腕を引っ張られ外にあるベンチに無理やり座らされた。
「何かあるなら言って?」
「なんもなーい」
「顔色すげぇ悪いけど?」