君がいるだけで。
「な、なに……?」
急に暗くなって
あたしは怖くなって皐月にしがみついた。
「……やっと始まったか」
暗くなることが分かっていたのか、皐月はポツリと呟いた。
すると舞台に司会者が立って
何やら話していた。
「さっちゃん…何が始まるの?」
「まあ、見てなよ」
そう言って舞台の方を
向かされた。
『では、発表します!』
司会者が声を荒がせながら
マイクに叫ぶ。
『ベストカップル賞は、
藤堂皐月くんと宮杉千菜さんでーーーす!!!!』
……ええ!!?
なになに?
これ何のイベント!?
すると皐月は
あたしを抱き抱えたまま
舞台の方へ歩き出した。