君がいるだけで。
そして再び
あたしを抱き抱えた。
「やっ……さっちゃん…!」
「千菜、違うだろ?
さっきみたいに“皐月”って呼んでよ」
そう言って
悪戯っぽく笑う皐月が
どうしようもなく愛しい。
皐月……
あのね、
ワガママなんて言わない
だから、ずっと一緒にいて?
そして変わらない笑顔を、
あたしに見せてね?
それだけで、
充分ってくらい、
あたしは幸せだから
「皐月、大好き」
「…よくできました」
そう言って皐月は
あたしの唇に優しくて甘いキスを落とした。
みんなに祝福されながら
あたし達は夏空の下
より強く、お互いを想い合った。
おしまい