蝶響



―――――



あたし達がトップとなって、少し経ったある日

あたしは久しぶりに響の元へ帰った

本当は二度と帰る気なんてさらさらなかった

でも・・・

「親不孝はダメだ。一回だけでも帰ってあげろよ。例え響が嫌いでも、お世話になった命の恩人には変わりないだろ」

湊はそう聞かせ、嫌がるあたしを無理にでも行かせた




今思えば、それが間違っていた

あの時、湊の言う事を聞かずに響へ向かわなければ、柊耶さんからあんな無惨な命を下されることはなかった

すべて、あたしの判断が引き起こした悪夢だった









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