蝶響




「柊耶さん、華乃です。失礼します」

「・・・入れ」

少し間があってから居心地の悪い低い声が響いた

ゆっくりと目の前の襖をスライドさせる

そして覗いた、気味が悪い黒い空間

部屋の真ん中で胡坐を掻くその人物を見て、引き返したい気持ちに見舞われたが、すぐに感情を無にして柊耶さんと向き合った



少しの沈黙・・・

数分後、先にそれを破ったのは柊耶さんだった





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