蝶響



あたしはこの髪と目を隠すために、こげ茶のかつらと黒のカラコンをつけた

この髪と目は、あたしの過去を思い出すひとつ



鏡の前に立つ
映ってるのは、黒のストレートロングに赤メッシュの髪と銀の目・・・

これは、真のあたし





そして、これは―――

「蝶華」の時の姿だった





そう、あたしは・・・

全国No.1の族「蝶響」10代目総長だった





でも、色々あって今はひとり

きっと、これからもずっと―――

いくら願っても、時間はもう戻らないんだ








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