蝶響





「ううん、あたし達が居るじゃない。湊、一緒に変わろうよ。本当の湊を取り戻そう」

湊の瞳をしっかり見つめて、思いを伝えた

「でも、俺は戻れねぇんだ…」

湊は膝から崩れ、弱々しくそう呟いた

「いいんだよ、湊。先に進めば…
戻らないで先に進めばいいの。後ろを振り返らないで前を見れば。過去は過去、今は今だから…」

湊の前に手を差し出した

「っ瑠璃…俺、瑠璃を助けようと必死で…でも間違った方向に行っちまった。でも、変わりたい。先に進みてぇ」








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