蝶響




湊までの距離が10m少しまでに縮まった時、湊が隠し持っていた銀色の何かが露わになった


“ナイフ”


その鋭い刃先がキラリと光った時、静かなこの場に、誰かが唾をのむ音が微かに響いた

「湊、やめろっ!!」

「「湊っ」」

「「湊さんっ」」

「みーちゃんっ」

「お願い、やめてっ!!!」

あたし達がどんなに叫んでも、湊はその訴えすら耳に入れることは無かった







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