蝶響



「そういえば、何処から来たの?」
雄は話を変えて、あたしに聞いてきた
きっと、気をつかってくれたんだろう

「紅嵐の方から」
そうあたしが言えば、2人はびっくりして目を見開いていた

ホントは言いたくなかったんだけどな~
この「紅嵐」っていう言葉も
だって、みんなを思い出す・・・

「紅嵐ってことは、華乃は「蝶響」のこと知ってるか?」
そっか、蝶響は紅嵐あたりに居たからなー

「知ってるよ、少しだけ」
知ってるよ、すごく。
だけど、

ごめんね、少しだけ嘘を許して―――

「中でも歴代No.1の「蝶華」は憧れだよなー」
2人は目を輝かせて言う

「憧れ?」
あんな最低なあたしなんかに憧れてるの?
どうして・・・

「あぁ、俺にホントの強さを教えてくれた。今の俺の原点ってトコかな。そして、あのハルさんの憧れでもあり、忘れられない大切な人らしいぜ?」
ホントの強さを教えた?
まぁ、それより・・・

「ハルさん?」
そう、「ハル」っていう響きを、なんか知ってる気がしてならないの。
そして、あたしの何かと関係がある気がして―――

そう考えてる間にも、2人はまた目を丸くし、驚いていた

「ハルさんを、知らないのか?」
元は、間抜けな声でそう聞いてきた
でも思うんだけど、普通に考えればさ、

「知ってる方が可笑しいよね?」

「はぁ~。ハルさんってのはな―――」
雄は溜め息、
そして元は・・・

“何こいつ!?マジだよ!!俺こんな奴初めて見たわ~驚愕!”
なんてほざいてたんだけど、スルー







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