蝶響
翔センがクラスに入ってきて、転校生もあとに続いた
女だ
ここは男子校だから、この学校に女がいることはない
きっと、何かしら理由があったのかも知れない
「響 華乃。よろしく」
と、さっぱりと自己紹介を済ませた女は、華やかな名前のわりにはとても地味だった
クラスの奴らはその女が期待はずれだったらしく、彼女に好意としての興味を示すことはなかった
それどころか、さっきから女をバカにして悪態ばかり吐いている
もしかしたら、いじめの対象になりかねない
でも、女はそんなの軽くスルー
何も気にしてないようだった
俺は不思議とその女に興味をもった
何故だかはわからない
丁度席が後ろだったために、試に話しかけてみた
すると女は―――