ピュアらぶストーリー。
3日目のさぼり
ほんと昨日は散々だった。
体育の授業中倒れるし、翔太くんに迷惑かけちゃったし、数学の先生には課題出されて放課後居残りさせられたし。
おかげでお昼のみならず下校もご一緒できなかった。
優しい翔太くんは「課題終わるまで待っとこか?」って言ってくれたけど、さすがに申し訳ないから先に帰っててもらった。
体育の時間に倒れた私を運んでくれたこともまだちゃんとお礼出来てなくて、ほんとこんな自分に嫌気がさす。
やっぱりメールよりも直接お礼するべきかな、ってクッキー焼いてきたんだけど…。どのタイミングで渡せばいいんだろ。
お昼一緒に食べるんだからそのときでいっか。
なんて思っていたときだった。
「実結!!」
教室の後ろのドアがいきなりバンッて開いて、その声に振り返れば翔太くんがいた。
「翔太くん…!朝練もう終わったの?」
私が聞くと、おん、ソッコーで着替えてきた!と蔓延の笑みを浮かべながら言った。
バスケ部はテスト週間でも関係なく朝練はあるらしい。ボールに触れていないと感覚が鈍るんだって。さすがだなぁ。
「おつかれさま!どうかしたの…?」
「あ、せや。実結、もう大丈夫なん…?」
もう一度昨日のことを思い出して、申し訳ない気持ちになる。
「もう大丈夫だよ!ほんとごめんね、迷惑かけて…」
「迷惑なんて思ってないわ!!…なぁ、今からちょっとオレに時間くれんか?」
どうしたんだろう、何かここでは話せないこと言われるのかな…?
昨日あんなに迷惑かけちゃったから、愛想つかされた、かな…。
「わか、った」
「…ほんまに!?じゃあ、先生来てまう前に行こか!!」
翔太くんが私の腕を掴んで歩きだす。
慌ててクッキーが入った紙袋を持ち、私たちは他の生徒の流れに逆らって屋上に向かった。