ピュアらぶストーリー。
嫉妬…。
今までもやもやしてたこの気持ちを言葉にするなら、それが一番当てはまるかもしれない。
気づかなかったんじゃなくて、気づかないふりしてただけなんだって、思う。
でも、でも…!
「妬いてなんかないもん!!」
まだ、認めたくない。
「…実結ちゃんさ、やっぱりまだ翔太のことわかってへんな。オレは、長い付き合いやからわかる。…翔太の気持ちはそんな軽いもんじゃないで?」
稲瀬くんはなんて鋭い人なんだ。
あまりちゃんと話したこともないのに、私よりも私の気持ちを知っている。
人を、よく見てるんだなぁ…。
「実結ちゃんが翔太のこと好きになって、めっちゃ好きになって、戻れんようになるんが怖いんやろ?」
私は否定も肯定もしない。
ただ、俯くだけ。
「確かに、翔太はモテるししかもあの鈍感さや。…これから、傷つくことがないとは言いきれん」
俺の方がモテるけど、って付け加えた稲瀬くんにつっこむ余裕もないや。
「…。でも、実結ちゃん。これだけは覚えておいてほしい」
俯いていた顔をあげて稲瀬くんの方をむく。
目が合って、やっぱり美形だなぁなんてこの場に相応しくないことを思った。
まぁ、モテてる理由はそれだけじゃないだろうけど。
じっと目を見て、稲瀬くんの言葉を待った。
「人を好きになることは、つらいことよりも「実結!!」…」
良い感じのことを言おうとしていた稲瀬くんを、良いタイミングで翔太くんの言葉が遮った。