ピュアらぶストーリー。
第三章
ここから
<実結side>
キーンコーンカーンコーン
2限目、テスト終了の合図。
私はかばんを持って、一目散に走った。
手に、不器用な字でかかれた手紙を持って。
君の元へ─────
中庭につくと、もうすでに翔太くんがいて。
私に気づいてハニカミながら手をふってくれた。
「とりあえず、来てくれてありがとうな」
翔太くんの目が、真剣な、何かを覚悟したような、そんな目に変わった…気がした。
「俺の気持ちは変わってない。いや、むしろ前に比べたらずっと強くなった。実結を知っていくたび好きが増えて、もっと、もっと、実結を知りたくなる」
あのヘタレな翔太くんからは想像できないくらい凛とした瞳に、思わずたじろぐ。
「俺と、付き合ってください!桐島実結を、世界で1番、笑顔にしたる!!」
笑顔にする、っていうところが翔太くんらしいな。
一週間前と変わらないこの光景。
変わったのは、私の気持ち。
「私も、負けないくらい翔太くんのこと、大好きだよ。だから、私を世界で1番笑顔にしてください!!」
言った瞬間、ぱあっと効果音が鳴るくらい翔太くんの顔が綻んで、夢ちゃうねんな、って呟きながら抱き締めてきた。
私もぎゅうって抱き締め返したけど、ここが学校だということを思い出してパッと離れた。
「そ、そろそろ帰ろっか!!」
そういうとちょっとむくれた顔になったけど、かばん教室や!!ちょっと待っててダッシュで取ってくる!と言ってほんとに全力疾走で校舎に向かった。
残された私は木にもたれかかり、この一週間の出来事を思い出していた。
醜いと思っていた嫉妬心も、翔太くんへの好きという気持ちからでてきたと思えば、何だか温かい気持ちになる。