甘い無口な彼氏



「私をさしおいてリア充しようとするのが悪いのよ」


はっ、と悪ー女王様みたいな目で私を見下ろす河南さま。
むぅ、と睨めばもっと怖い鬼のような瞳で睨まれた。怖い。


「んじゃーさ、俺らで海行こーよ!」

「ぅわあああっ!」

「なに?盗聴?」


人聞き悪いなぁー、と言いながらもはははと笑う伶くん。
急に後ろから現れた伶くんに驚いたのは私だけ。河南は慣れているらしい。


「暇なんでしょー?」

「3人だけ?」


と、ふっふっふっと悪巧みを考えているときの河南みたいな顔をした伶くん。


「比奈は透弥と行きたいんだろ?」

「え、うん」

「その夢、俺と河南が叶えてやろう!なっ?」

「よーっし!」


さすが幼馴染み。一緒にいると性格まで似るのかな。ノリが全く同じ。


「透弥ーっ」


と、伶くんが満開の笑顔で透弥くんを呼ぶ。



< 28 / 37 >

この作品をシェア

pagetop