甘い無口な彼氏
「なあ!海泊まりにしねえ!?」
「「泊まり?」」
次の日のお昼休み。
河南と二人で屋上で食べていると、やたらハイテンションな伶くんがやってきた。
「どこに泊まんのよ」
「海の近くに俺ン家の別荘があんだよ!」
「金持ちめ…」
「でも、透弥くん二日も空いてるの?」
すると、ニヤァと物凄く嫌な予感がする笑顔を浮かべた伶くん。
と、いきなり肩を抱かれ、耳元に顔が近付く。その近さに驚きながらも、何か言われると思って静かにしてれば、
「比奈と二人で泊まれるなら部活一日くらい休むってよ!」
「え」
何それ、と聞き返そうとすれば私の肩を抱いていた伶くんの手が誰かによって剥がされる。
「げ」
「透弥くん!」
そこには、伶くんの腕を不機嫌そうに掴んだ透弥くんがいた。