ニューハーフ物語
「凛子!私、今日から、凛子の応援団長になる!あんたが棺桶に足つっこむ、その時まで、応援し続けるわよ!」


「えっ!あたし、香奈恵より、先に死ぬってこと?」


「小さいことは、気にしないのよ!それより、次は、おじさんに、凛子のこと、どうやったら認めてもらえるかってことよ。作戦を考えないと、ちょっとやそっとじゃ、おじさんは、凛子を認めないわよ!」


凛子のお父さんは、代々、大地主で名家の家に生まれ、一流大学、一流商社と進み、10年後に、区議会議員に32歳の若さで当選した。それも3期、12年、務めた後、今度は、都議会議員に当選して、今に至っている。


「凛子のお父さんは、悪いけど、まず、体裁を気にする人だよね」


「それに、『昭和の人』だよ」


私は、凛子を軽く睨みつけた。


「一番は、凛子のお母さんみたいに、カウンセリングを受けてくれればいいんだよ。でも、現時点では、それは、無理だし…一体、どうしたら、わかってもらえるんだろう」

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