ニューハーフ物語
「香奈恵のお母さん、家を出たらしい………」



「えっやだ、何、冗談言ってるのよ!」


「…………」


「うそ!うそでしょ!」


香奈恵は、自分の家の方に向かって走り出した。


そして、家の中に合い鍵を使って入って行った。

あたしも心配になって後を追いかけた。


家の中は、普段と変わらなかったようだけど、キッチンのテーブルの上に[香奈恵へ〕と書いた1通の白い封筒がポツンと置いてあった。

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