ニューハーフ物語
案の定、香奈恵が母さんに差し出すと、母さんは、ガッカリするどころか、烈火の如く怒ってしまった。
それで香奈恵は、封筒を引っ込めるしかなかった。
「香奈恵ちゃん、そんな他人行儀なこと、二度としないでちょうだい!」
香奈恵もあたしも目があって、苦笑い。
香奈恵は、観念したようだった。
だが、授業料だけは、出させてほしいと懇願した。
これには、さすがの母さんも香奈恵の意志の強さには、根負けして、もし滞ることがあれば、必ず母さんに相談することを条件に承諾した。
香奈恵が高校を卒業するまで、あと、1年ちょっとだ。
香奈恵は、お父さんが出て行った時から、高校を卒業したら働こうと思っていたらしい。
そして今は、働きながら、資格を取ろうと考えているようだ。
香奈恵って………強いなぁ
羨ましい………やっぱり、あんたは、正真正銘の『昭和の人』だよ
それで香奈恵は、封筒を引っ込めるしかなかった。
「香奈恵ちゃん、そんな他人行儀なこと、二度としないでちょうだい!」
香奈恵もあたしも目があって、苦笑い。
香奈恵は、観念したようだった。
だが、授業料だけは、出させてほしいと懇願した。
これには、さすがの母さんも香奈恵の意志の強さには、根負けして、もし滞ることがあれば、必ず母さんに相談することを条件に承諾した。
香奈恵が高校を卒業するまで、あと、1年ちょっとだ。
香奈恵は、お父さんが出て行った時から、高校を卒業したら働こうと思っていたらしい。
そして今は、働きながら、資格を取ろうと考えているようだ。
香奈恵って………強いなぁ
羨ましい………やっぱり、あんたは、正真正銘の『昭和の人』だよ