君に逢えたら
やっぱかっこいいな。あの人。

歌がなくなると、そこにいるイケメンに気付いたのか、見とれている人が多くいる。

「あの人元崎の友達なの?」

圭を見ながらゆきは言った。

「え?ああ。圭?そうだよ。」

「ふーん」

「何?気になる?」

「えっいや、気になるっていうか、すごい整った顔だから。
もてるだろうなと思って」

思ったことをそのまま言っただけで、深い意味は特になかった。

「あーだな。」

友達の話だから、もっと話すかなと思ったが、元崎は彼についてそれ以上話さなかった。

まぁ別にいっか。

それから数分たわいもない会話をした後、再び元崎は歌いに戻った。

その歌声はやっぱりへたくそだった。

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