君に逢えたら
メガネに二つ結び。
地味な顔に似合わずはっきりものを言う。
圭は小春に対してそんな印象を持った。
なんとなく興味が湧き、圭は小春に声をかけた。
「さっきはどうも。春ちゃん。」
買い物袋を提げた小春は、さっきと同じ様に特に驚かずに圭を見た。
「あー。ギターの…」
「良かった。覚えてたか。」
「そりゃあ。なんか目立つ顔だし。」
まじまじと圭の顔を見ながら小春は言った。
「どうも。よく言われるよ」
「でしょうね。で、何か用ですか?」
どこか面倒くさそうに小春は尋ねた。
整った顔立ちに社交的な性格。
それ故に女子から邪険に扱われた経験がない圭は、
今までにない女子の反応に面白くなった。
「用って言うか、一弥と川島さんの事だけどさ、どう思う?」
「どうって言われても。」
「いや、あの二人どう考えても両想いだろ?
俺らで協力してくっつけない?」