君に逢えたら

メガネに二つ結び。

地味な顔に似合わずはっきりものを言う。

圭は小春に対してそんな印象を持った。

なんとなく興味が湧き、圭は小春に声をかけた。

「さっきはどうも。春ちゃん。」

買い物袋を提げた小春は、さっきと同じ様に特に驚かずに圭を見た。

「あー。ギターの…」

「良かった。覚えてたか。」

「そりゃあ。なんか目立つ顔だし。」

まじまじと圭の顔を見ながら小春は言った。

「どうも。よく言われるよ」

「でしょうね。で、何か用ですか?」

どこか面倒くさそうに小春は尋ねた。

整った顔立ちに社交的な性格。
それ故に女子から邪険に扱われた経験がない圭は、
今までにない女子の反応に面白くなった。

「用って言うか、一弥と川島さんの事だけどさ、どう思う?」

「どうって言われても。」

「いや、あの二人どう考えても両想いだろ?
俺らで協力してくっつけない?」



< 32 / 56 >

この作品をシェア

pagetop