君に逢えたら
「元崎!?」
家の前、自転車を横に置き座り込んでいたのは元崎だった。
「どうしたの?」
ゆきは駆け寄った。
「あぁごめん。こんな時間に…」
決まり悪そうに頭を掻きながら元崎は立ち上がった。
「いつからいたの?駅には今日いなかったよね?」
「駅…今日もいったのか?」
「うん。バイト帰りに寄ったよ。遅くなっちゃったけど。」
「そうか…」
「どうしたの?何かあった?」
心配そうにゆきは言った。
「川島…」
「何…?」
どうしたんだろう。様子がおかしい。
「あ、ここじゃなんだし、中入る?
お父さんもお母さんも遅くなるからさ。」
招き入れようと門扉に手をかけたが、すぐに元崎に止められた。
「いや、待て。ここでいい。すぐ帰るから。」
何だろう。
ゆきはどうしたらいいのか分からず、元崎の言葉を待った。