君に逢えたら

「派手なけんかだねぇ」

「あ」

「こんにちは。高山さん」

「いつからいたんですか…?」

「何で!から。」

「盗み見ですか。趣味悪い」

「春ちゃんさ、協力はしないって言ったのに充分協力してるじゃん。」

小春の前に腰かけながら圭が言った。

「はあ?どこがですか。
私は分かってたんですよ。
元崎にゆきのバイト先が変わったのを言ったら、もう来なくていいって言うって。
分かってたのに元崎に言ったんです。
ゆきにとってはむしろ邪魔したんです。」

淡々と話す小春の顔はどこかつらそうに見えた。


「そういうのを協力って言うんだよ。春ちゃん。
川島さんに現状を打開させたかったんでしょ?
それは立派な協力だよ」

にっこりと微笑みながら圭は言った。

その言葉はゆきを怒らせたと気にしていた小春の心を少し軽くした。

「さぁ、俺も一仕事してくるか。」

「仕事?」

「そ。春ちゃんが頑張って協力したのに、俺が何もしないってわけには行かないからね。」




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