君に逢えたら
あれは罰ゲームの告白をした、次の日の放課後だった。
「一緒に帰ろう」
元崎が声をかけてくれた。
恥ずかしそうに、でもどこか嬉しそうに元崎は言ったのだ。
その笑顔がまぶしくて、優しくてゆきは泣きそうになった。
この笑顔を私は裏切っている。
今でも後悔する。
この時ちゃんと謝って自分の気持ちを伝えれば良かったと。
そうすれば元崎を傷付けなかった。あんな顔をさせなかった。
いつだって歩み寄ってくれたのは元崎だった。
ゆきはただそれを待っていただけ。
会いたい。
元崎に会いたい。
お詫びなんかじゃない。
私は今でも元崎が好きなんだ。
ゆきは立ち上がった。
今度は私から。
今の自分の気持ちを、本当の気持ちを伝えたい。