君に逢えたら
放課後-
カナコに呼び出された元崎一弥が校舎裏へと来ていた。
あれよあれよと言う間に準備が整い、
ゆきも流されるままに校舎裏へ連れてこられた。
どうしよう…
カナコ達は近くの茂みに隠れて見ている。
「おぅ川島。どうした?」
定番の校舎裏なんかに呼び出されて、
本当は用件なんて分かっているのではないかと思うと、
ゆきは恥ずかしくて元崎の顔が見れなかった。
「川島?」
覗き込むように元崎がゆきを見た。
風にゆられてか茂みがガサガサと揺れた。
しかしゆきにとってそれは「早く言ってしまえ」
というカナコ達の無言のプレッシャーのように感じた。
言わないと終わらない。
もう、どうにでもなれ。