君に逢えたら
「好き、かも…」
半ばなげやりで言った。
「え?」
「だから!あの…元崎のこと好きかも…」
好き、という部分だけ妙に小声になった。
「かも。なんだ?」
「いや!かもっていうか…なんていうか…」
何言ってんだ。私!
自分が情けなくて泣きたくなった。
こんな形で伝えたくなかった…。
「じゃあ俺も。川島のこと好きかも。」
「は?」
今、何て?
訳が分からずゆきはその場に固まった。
目の前には満面の笑みの元崎がいる。
「俺も川島が好きだよ。」
すげぇ嬉しい!
恥ずかしそうに顔を背けながら元崎は嬉しそうに笑った。
えぇ!!!!
予想外の出来事にゆきは危うく卒倒しそうだった。
カナコ達もそれは同じだったようだ。
罰ゲームでした
というネタばらしに出てくることもできず、その場で尻もちをついていた。
1人何も知らない元崎だけが終始ご機嫌だった。
こうして、カナコの暇つぶしは思わぬ形で終わりを告げた。