月虹 Just the way you are
「ヒッ」
小さく怯える声が耳を掠める
「俺、何かしたっけ?」
わからずによく考えずに呟いた言葉
相手からすれば、もし本当に何かしていたのならば、かなり頭にくるだろう
「っ、…」
歯ぎしりのような音が聞こえた
何その態度、と言おうとした口を一度閉じ、何も言わずに彼の返答を待つ
まだあたしが彼の髪を握っていたからだろうか…?
案外早く、数秒もたたないうちに、彼の口は開いた