月虹 Just the way you are
「おま、えは…」
彼の震えが右腕から感じとられた
下を向いて、視線は足元にある柏木クンに
「うん」
優しく返事を返す
ザザザっと吹く風は、何かを感じ取ったようだ
「ぉま、…は」
なにかに怯えるように、縮こまっている姿をみて
あたしも大事なことなのだと感じ取る
「大丈夫、言って?」
小さい子をあやすように、手を彼の頭において、ゆっくりと撫でる
サラサラと滑り落ちる髪を、そっと撫でていれば柏木クンは少し落ち着いたようで、髪を撫でていたあたしの手を掴んだ