月虹 Just the way you are
その声を聞いた、影がクルリと振り返る
そして暗くてあまり見えないが、口辺りがゆっくりと開いた気がする
「お前なんかに逃げだす必要なんてねぇよ」
こいつも、相手をバカにするかのように鼻で笑いながらそう言った
二つの声は低い男の声がする
「ハンッ、上等だぁ」
後から来たやつはそう言うと、拳を振りかざしながら走り出す
その先には壁に行く手を阻まれている男
だけど、その男の口元は…
不気味に歪んでいた