月虹 Just the way you are
「ぐはっ」
鈍い音とうめき声、そしてすぐに聞こえてきたドサリ、と何かが倒れた音
何が、だなんて愚問だ
辺りを見回すと、黒い塊が3つ
うめき声と、街灯の音、ガサガサと風で袋が転がる音しかしない
カツンッ
あたしは一歩足を前に踏み出し、黒い塊の横にしゃがみこんだ
「ヒッ」
小さく聞こえた怯える声を無視し、その黒の塊を手で掴んだ
パサパサした感触からきっと髪の毛でも掴んだのだろう
かなり痛みきっているその髪の毛を、上へと持ち上げた