月虹 Just the way you are



手で、髪の毛が抜ける感触を感じ、この空気には似つかわしくないが、禿げるぞ、と心の中で突っ込んでおく



だんだんと力を加えていくと、


「っ……し、…ぇしだっ…」


小さな声を確認できた



「聞こえねぇ」



低く唸り、もう一度、と急かす



すると男の口は再度開いた



「っ、しか、え、しだった」



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