★ 理想のコイビト ★
「あっ、赤くなった。」



「………ほっとけ。」



「あんだけスキスキ言ってた癖に今さら照れてやんの!マジキモー。」



「うっせ。」



ケラケラ笑う恭一に丸めた原稿用紙を投げつけてみたがダメージは皆無。逆に3倍になって返ってきた。



「まっ、繭ちゃんもお前のこと大好きみたいだし、気長に、な?」



「っ!………うっ、うっせ!」



まだ投げて来る気なのか、丸めた原稿用紙を片手に相変わらず上から目線な恭一をキッと睨みつけた俺は、瞬間、ニヤニヤといやらしい笑みから逃げるように、プイッと顔を背けた。

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