鎖~kusari~
一通り紹介が終わると、時雨くんが口を開いた。

「なぁ、遥二…本家に…本当にコイツが俺達を救ってくれるのか?」

今まで黙って見ていた理事が時雨くんを制する。

「コイツは無いんじゃないか?時雨…」

「………」

時雨くんは眉間にシワを寄せて目を伏せてしまった。

「あの……私…」

「すみません…」

遥二先生が話し出す。

「雲雀先生…何故貴女がこの学校に呼ばれたか…分かりますか?」

あまりにも唐突で大ざっぱな質問に、私は思いっ切り頭を横に振る。

「まぁ、そうでしょうね……単刀直入に言います。…我々を助けてくれませんか?」

「えっ?それは…一体……」

すると凜くんが嬉しそうに身を乗り出していった。

「僕らにはね…黒くてベタベタしたものがまとわりついててね、自力ぢゃぁ取れないんだ」

「黒くてベタベタしたもの…?」

「凜…落ち着け…」

ソファーに手をつけぴょんぴょん跳ねている凜くんを、蓮くんが引っ張る形で落ち着かせる。

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