鎖~kusari~
「やだぁ~遥二先生ったら~そのうち分かりますよ」

照れながら会話している神宮先生を見ていたら、私はなんだかお邪魔のように思えた。

(お弁当も食べ終えたし、余った時間構内を歩いてみようかなぁ…?)

「あの~私、お昼終えたので校内を歩こうかなぁ~と思うので……失礼させていただきます」

「それでわ、私がご案内しましょうか?」

遥二先生がすかさず申し出る。

「あっ、そのお気持ちは大変嬉しいのですが…折角のお昼休みですから、遥二先生はゆっくりなさっていて下さい!」

そう、遥二先生は外見の良さだけでは無く性格も良く、信頼が厚い。ほかの先生方や生徒から相談を受けて働きづめ…。

まだ、会って間もないけれど遥二先生が忙しいのは私にだって分かる。
私は思わず力を込めて言ってしまった。

遥二先生は眉間に皺を寄せ、困り笑顔を浮かべた。

「どうやら私は、雲雀先生に嫌われてしまったみたいですね」

「えっ?いえ…そんなつもりでは…」

私が慌てていると遥二先生はクスッと笑った。

「冗談ですよ…。分かりました。貴女がそこまで言うのなら、私はゆっくりさせていただきます」

私は頭を一度下げてその場を後にした。

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