年下男子注意報!!2
何かおかしい。
普通、私を刺したいなら日向が私の前に立つ時点で動きが止まってしまうんじゃないだろうか。
好きなんだし。
それなのにあんな風に笑って日向を見つめるなんておかしい。
体は動けないほどの恐怖に支配されているのに頭はびっくりするくらい冷静だ。
それに空ちゃん、多分本気で私にナイフを当てようとしなかった。
まったく動けなかったのにさっきだって外すし。
もしかして....
私の足に力が入る。
日向はすでに私の前に立っていて空ちゃんを止めようとしている。
ほんの一瞬。
ほんの一瞬だった。
人間はピンチになると時間が遅く流れるって本当だったんだ。
空ちゃんを止めようとする日向。
楽しそうに笑い続ける空ちゃん。
そして....
「日向っ!!」
足に力いっぱい力を込めて日向を横へ突き飛ばす私。
「え?」