恋色生活
「お願いします」

「うん」

先生の「うん」という言葉に親しみを覚えて、少し安心した。


「頭付けて」

「顎引いて」

わたしは言われるがままに従う。


こつっ。

わたしの頭に、少し音がするくらい軽く、何かが当たった。

多分、身長を測るために下げるアレだろう。


(何でだ。他の子のときは普通に置くくらい軽く下げてたろ。何でだ)

心の中で顔をしかめながらそう思った。


「あっ、ごめん」

先生はそう言ったが、その言葉には少し笑いが含まれていた。

まぁ、先生、ドSだから仕方ないか…。


「…144...ピッタリ」

!!身長伸びた。(4ミリ)


…中三でこの身長は、友達に「チビ」って呼ばれるのを受け入れないといけないくらい低い。

(はぁ…)

勿論、先生の横でため息なんてつけないから、心の中でだけだ。


「ありがとうございましたー」

「うん」
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