pierce,prince



学校なんかよりもずっと
あたしには大切なことが…


『…あ……。』


浮かない気持ちのまま
開けた玄関の先。

ひとつの人影が
あたしを見つめた。



「おはよ。」


そう言って彼はあの
涼しい笑顔で
あたしを見るの…。


『お、おはよう…。』


「いまから学校?」


『う、うん。そうだよ…?』



緊張でうまく話せないあたしを
彼はおもしろがるように
笑うんだ。



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