pierce,prince



葵は───‥
トップアイドル。



あたしと出会った頃はまだ
先輩のアイドルのバックでしか
踊れないような、
そんな葵だったのに…。


それですらあたしには
遠い光を見るようだった。



今じゃ、もう───‥。



「…海!」



電話を終えた葵が
笑顔であたしの名を呼んだ。


やめてよ。その笑顔。


気持ちが…
止まらなくなるから。



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