俺様無口な王子様ッ
あたしが言い終わるか終わらないうちに…、

自身の頬が、音と共に熱を帯びた。


どうやら、夢山に叩かれたらしい。

「い、たぁ…」

「あ、あんたが生意気だからよっ!」

あたしは頬に手を当てた。

ジィ…ン、と痺れてきている。


これは保健室だなぁ。

一時限目はサボろ…。


「さて、と…。用は終わり?」

「は?」

「あたし、保健室行くからはやく教室戻れば?」

保健室に向かってこの状況を脱出するその時、


「な、によ…だからムカつくのよっ!!」

と、一言吐いてパタパタと教室に帰っていった。


「…す、捨て台詞…はじめて聞いた」



まったく、リンチを受けたと言うのに…、

当の本人はなんという呑気さだろうか…。


まぁ、気にしないからいいけどさー。
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