俺様無口な王子様ッ
ガラガラガラッ…――。

「先生ー」


まったく…。

夢山のせいで顔がー。


「頬が痛いからシップちょーだーい」

真っ白い保健室の中であたしは先生に訪ねた…はず。

だけど。


…返事がない。


ちょー!

いないの!?


あたしは保健室中探し回ってみた。



…だ、誰もいない。


ま、いっか。

先生がくるまでベッドで寝てよー。



あたしは真っ白な、清らかな、ベッドに飛び込んだ。



この時は、あたしも真っ白で清らかだったのに…。

これからどんどん新しい色に侵食されていくのだ。


甘くとろける恋の色に…。
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