とあるアイドルの恋愛事情 【短編集】
久しぶりに朝帰りをしたため、気まずくてこっそりと玄関の扉を引いた。誰にも気付かれないようにこそこそと部屋へ入ろうとすると、リビングへと続く扉がゆっくりと開き、パジャマ姿の母親が手招きをして俺を呼ぶ。
そのちょっと意外な行動に首を傾げ、弟に気付かれないようにそっとリビングへと足を進めた。
「ごめん、渉(しょう)」
「は?何?」
目の前には、両手を合わせて頭を下げる母親。帽子を取って頭を掻きながら不機嫌に尋ねると、もう土下座でもしそうなくらいに頭が下がった。
「ホントごめん」
「何謝ってんだよ」
「朝帰り許すから、だから母さん許して」
「は?意味わかんねぇ」
この状況からすれば、俺が怒られて頭を下げる立場だ。何をそんなに謝ることがあるのか不思議に思っていると、母親の頭越しに2つのコーヒーカップが見えた。
ヤバイ…こんな時の嫌な予感は的中する自信がある。
「まさか理美来てる…とか?」
「母さんもさ、まさか渉が朝帰りするなんて思わなかったから」
「ばっ…バカ。マジで母さんバカ。頼むよぉ」
「ホントごめんって。でも、あんたも悪くない?仕事終わってからサキ君と遊ぶって言ってたじゃん」
「サキと遊ぶっつぅコトは、つまりそうゆうコト」
「とにかく理美ちゃんもう寝てるから、今のうちにその香水の匂い何とかしといで。服もすぐ洗濯するから」
「もぉ~。最悪!後で覚えてろよ」
こうゆう時、家族ぐるみの付き合いは困る。
まぁ、幼馴染だから仕方ねぇっちゃ仕方ねぇんだけど、仕事帰りにおちおち遊びにも行けない。せっかく携帯の電源を切って、久しぶりにサキとキャバ遊びを楽しんできたってのに。
そのちょっと意外な行動に首を傾げ、弟に気付かれないようにそっとリビングへと足を進めた。
「ごめん、渉(しょう)」
「は?何?」
目の前には、両手を合わせて頭を下げる母親。帽子を取って頭を掻きながら不機嫌に尋ねると、もう土下座でもしそうなくらいに頭が下がった。
「ホントごめん」
「何謝ってんだよ」
「朝帰り許すから、だから母さん許して」
「は?意味わかんねぇ」
この状況からすれば、俺が怒られて頭を下げる立場だ。何をそんなに謝ることがあるのか不思議に思っていると、母親の頭越しに2つのコーヒーカップが見えた。
ヤバイ…こんな時の嫌な予感は的中する自信がある。
「まさか理美来てる…とか?」
「母さんもさ、まさか渉が朝帰りするなんて思わなかったから」
「ばっ…バカ。マジで母さんバカ。頼むよぉ」
「ホントごめんって。でも、あんたも悪くない?仕事終わってからサキ君と遊ぶって言ってたじゃん」
「サキと遊ぶっつぅコトは、つまりそうゆうコト」
「とにかく理美ちゃんもう寝てるから、今のうちにその香水の匂い何とかしといで。服もすぐ洗濯するから」
「もぉ~。最悪!後で覚えてろよ」
こうゆう時、家族ぐるみの付き合いは困る。
まぁ、幼馴染だから仕方ねぇっちゃ仕方ねぇんだけど、仕事帰りにおちおち遊びにも行けない。せっかく携帯の電源を切って、久しぶりにサキとキャバ遊びを楽しんできたってのに。