とあるアイドルの恋愛事情 【短編集】
夜までビッシリだったスケジュールが急な変更で昼上がりになり、浮かれ気分でテレビ局を後にした。目指すはカワイー彼女の住むマンション。だけど、今はバイトでいないはず。
だからさ、迎えに行くことにしたんだよ。俺と同じ大学に通う、カワイー彼女のお姉サマをね。
通い慣れた学校の門の前に車を停め、目的の人物が出てくるまで暫しの休憩。
結構門の前に車は停まっているけれど、俺が乗りつけたのは外車。目立つんだ、これが。まぁ、サングラス掛けてその車の横に立ってる俺も悪いんだけど。
それにしても、仕事以外で注目されるのはあんまり気分の良いもんじゃない。
「遅いし…」
サークルに所属しているわけでもない優奈が、下校時間が遅くなるなんてことは珍しい。大概は優希がバイトから帰る前に夕食を作りたいという理由で友達の誘いを断り、1人で帰路に着くのだから。
電話でもしてみようかと携帯を取り出した矢先、視界の隅に映った優奈の姿にハッと勢い良く顔を上げる。
いつもながらGパンにTシャツ姿でノーメイクの優奈は、知り合いではない限り特に目を引く存在ではない。
けれど、今日は違った。
門から出てくる生徒達が噂してる。「あの人、とわわの彼女なんでしょ?」って。それだけで今優奈がどんな状況に陥ってるのかがわかる。幸い相手は気付いていないみたいだったので、声の聞こえる距離に移動して戦闘体勢を整えていた。
「ちょっと待ちなさいよ!」
「何で待つ必要があるの?」
「私達の質問に答えてから帰って!」
「何で答える必要があるの?夕飯の買い物に行きたいから早く帰りたいんだけど」
相変わらず優奈は、誰に対してもクールな態度で。それが仇になって1発や2発殴られなきゃいいけど…と、心配していた時、後ろから追いかけて来た女の子が優奈の腕を掴んだ。
「何?」
「私、知ってるのよ」
「何を?」
「あんたサキ君の彼女なんでしょ?」
「だったら何?」
嗚呼…認めちゃったよ、このコは。
だからさ、迎えに行くことにしたんだよ。俺と同じ大学に通う、カワイー彼女のお姉サマをね。
通い慣れた学校の門の前に車を停め、目的の人物が出てくるまで暫しの休憩。
結構門の前に車は停まっているけれど、俺が乗りつけたのは外車。目立つんだ、これが。まぁ、サングラス掛けてその車の横に立ってる俺も悪いんだけど。
それにしても、仕事以外で注目されるのはあんまり気分の良いもんじゃない。
「遅いし…」
サークルに所属しているわけでもない優奈が、下校時間が遅くなるなんてことは珍しい。大概は優希がバイトから帰る前に夕食を作りたいという理由で友達の誘いを断り、1人で帰路に着くのだから。
電話でもしてみようかと携帯を取り出した矢先、視界の隅に映った優奈の姿にハッと勢い良く顔を上げる。
いつもながらGパンにTシャツ姿でノーメイクの優奈は、知り合いではない限り特に目を引く存在ではない。
けれど、今日は違った。
門から出てくる生徒達が噂してる。「あの人、とわわの彼女なんでしょ?」って。それだけで今優奈がどんな状況に陥ってるのかがわかる。幸い相手は気付いていないみたいだったので、声の聞こえる距離に移動して戦闘体勢を整えていた。
「ちょっと待ちなさいよ!」
「何で待つ必要があるの?」
「私達の質問に答えてから帰って!」
「何で答える必要があるの?夕飯の買い物に行きたいから早く帰りたいんだけど」
相変わらず優奈は、誰に対してもクールな態度で。それが仇になって1発や2発殴られなきゃいいけど…と、心配していた時、後ろから追いかけて来た女の子が優奈の腕を掴んだ。
「何?」
「私、知ってるのよ」
「何を?」
「あんたサキ君の彼女なんでしょ?」
「だったら何?」
嗚呼…認めちゃったよ、このコは。