太陽がくれた時間
蛇に噛まれた傷の痛みが遠のいていく。
全身が麻痺してきたようだ。
また死ぬんだ。。
雨はあがり、薄日が射してきた。
この森には、いろいろな生き物が工夫しながら生きている。
時に戦い、時に逃げ、生き延びようと必死に生きている。
情けない気持ちがあふれた。
仲間の蛙が気の毒そうな顔で通り過ぎる。
まだ死にたく無い。。
もう負けたくない。。
池に仰向けに浮かぶ琴美。
期を待ち構えていた蛇はためらう事無く琴美を飲み込んだ。
小さな命。
儚い命。
優しい光の中、太陽の声が聞こえた。
次も弱い生き物に魂を吹き込むが、精一杯生きなさい。
情けない気持ちを振り払うように、返事をした。
逃げません!戦います!そして生きます!
うすらぼんやりと遥か彼方に赤色と緑色が揺れている。
ゆっくりと近付いてくる。
琴美はわくわくした。
生まれ変わる自分に。
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